エピローグ

少年は砂漠の外れに立った岩が好きだった。
その岩は誇りを持って揺るぎなく立ち尽くしていたからだ。
辛い事があったときも夕日に向かって雄雄しく聳え立つ岩を眺めると勇気が沸くような
気がした。だから岩が跡形もなくなくなった時、少年は泣いた。



次の日の授業中
すでにそこに何もないことを知っていながら、廊下に立たされた少年が砂漠の外れを
訪れると、そこに岩があった。
少年は夕日に照らされて変わることのない巨岩を見て涙を流したがそれは悲しみのせいではなかった。



岩は、今日もバトンを投げることなく廊下に立ち尽くしていた(核の恐怖を訴えつつエンディングテーマ)