その4


沼地を後にした一行の前方に、小さな洞窟の入り口が見えてきた。

「あれこそがラッパンアスクの墳墓寺院への入り口やも知れぬ…!」

「なあ…そろそろ分かってるだろ…?そんなわけないよな?」

「……う、うん。」

「いや、でも中に入ったら奥で広がっててそっちに立派な入り口があるかもしれないぜ?」

「その発想はなかったな!」

わいわいしながら入り口に向かって進んでいく一行。
すると、穴から一匹のスズメバチがもぞもぞと窮屈そうに這い出してブーンとどこかに飛んでいくのが見えた。

「なぁんだ、蜂の巣か!」
「ハハハハ!ハチか!」


「…おい、あの洞窟の入り口って5フィート以上幅あるよな?」
「……うん」


巨大蜂であった。
「どうするよ?」

「蜂だから絶対毒はあるなあ…」

「でもそろそろ夕方だってのに今日一日逃げ回ってばっかりでまるで戦ってないぜ。そろそろ戦闘もしたい。」

「んだなあ…ファイアボールのスクロールはいくつかストックあるんですよね?」

「一応、三つは用意してあります。」

「じゃ、数が出てきても押し切れなくはないかなあ。BuffでAC上げまくって入り口ふさぐとかさあ。」

そんな相談をしているとテキストをチェックしていたDMがげんなり顔でこっちを見ると


「蜂ばっかり数百匹並べんのだるいんで、挑んだら死んだってことでいいすか?」といったので


急いで果たさなければいけない使命を思い出した一行は先を急ぎ
巨大蜂の巣は見なかったことにされた。