□ファルメール 人間のナイト/ファイター LV5
ヴェルナ大神聖国の王子。国家危急存亡の瀬戸際にノブレス・オブリージュを果たさんと最前線に赴く。
スパイクトチェインを自在に操り戦線構築を担当する。
フェルメールは悩んでいた。
ファルメールはヴェルナ大神聖国の王子である。
王子というからには王の息子である。
だが、グレイホークワールドガイドを読む限りヴェルナは神権政治で国家元首はあのおっかないヘイゼン司祭長である。
ラオの教義に不犯の誓いがあるのかは知らぬ。
だが、聖人ッ面のあのジジイに妻子があるのかは甚だ疑問である。
しかし自分は現に王子なのだ。
自分は一体何なのだ。王はどこにいるのだ。治めるべき国土は神が一番偉い。
父はどこだ、母は誰だ、俺は王子。
王子は義務を果たさねばならぬ。ファルメールは鎖を手に取った。
敵はオルクス。ラッパンアスク。この身は砕けるかも知れぬが奴らもただでは置かぬ。
王族の魂と彷徨する心を身の内に圧縮した高貴なる局地制圧兵器は奈落へと向かう攻略隊へ身を投じた。
かくて再建されたラッパンアスク攻略隊。
亡き友のため、隣人のため、自らのため、義務をはたすため。
PC達の動機はさまざまであったがPL達の動機は同一であった。
すなわちお礼参りである。
完全攻略は困難であろうとも、せめてあのいけすかぬグリーンエメラルドガーゴイルだけはただではおかぬ。
かくて、憎悪と恐怖に目をぎらつかせた一団は速やかにシーコーストロードを南下していった。