懊悩128MB
- 作者: 栗本薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/08/07
- メディア: 文庫
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この128巻分で本になるだけの分量はもうおしまいなんですって。
キイッ!
だったらなんでこんな面白いのよぉぉ!
ミロク教徒のヨナとフロリーがミロクの聖地で出会って
ヨナが自分の生い立ちとイシュトヴァーンとの関係を話して
二人がなんとなくお互い好意を持ったりする大体20年位前に計画されたと思しきイベントがついに起こったっていうのに!!
グインサーガ読んでて最近一番興奮するのが、中原の地図上での距離とか、登場した巻数とかお互いを隔てていた物を踏み越えて
あのキャラクターとあのキャラクターがついに出会ったり、知るべきことを知ったりっていうロングフラグの回収です。
一番代表的なのは一巻で死んだトーラスのオロが「俺の親父に息子の最後を知らせてくれ」ってグインに言伝を頼んでから
第67巻、風の挽歌でグインがゴダロに出会うまでにかかった間65巻のロングパスでゴンした。
これはもう読んでる方まで首を右上方を振り仰ぐようにやや持ち上げ、肩の力を抜いて佇む「大河のポーズ」をとりながら
「ああ……なんて……遠い…」ってグインサーガ・大河の合言葉を呟くぐらい興奮するそれはそれは名シーンでありました。
「大河のポーズ」を取ると背景は巨大な夕日の沈む大草原になります。
グル・ヌーの秘密を知るスカールとノスフェラスの謎を追い求めるナリスが出会った時も
グインとスカールが出会った時も*1
かなりハァハァしたものですが、128巻もまた久々に「きやがったぜぇー!」ってなりまんた。
だってイシュトヴァーンと同郷で彼に命を助けられてパロで参謀長にまで出世したヨナが
イシュトヴァーンに最愛の女を殺されて敵と付け狙うスカールに護衛されて行った先のミロクの聖地で
イシュトヴァーンに捨てられて大体50巻くらい自殺したと思われてた間に子供を産んでひっそり育ててたフロリーと出会って
フラグ立てるんですもの。
こりゃ興奮するわよ!
ヨナもフロリーも地味なんですけどあんまり読者の感情を逆撫でしないいい子キャラなのでかわいさもひとしお。
この後、フロリーと息子スーティを追ってヤガにやって来たイシュトヴァーンとの親子対面withスカールとか
スカールが仇の子スーティにあった時どうなるのかとか
あれ、万が一スカールがスーティを育てるフラグとか立てちゃうとフロリーは命危ないんじゃねえ?とか
見たくて見たくてしょうがない大型イベントの数々に思いを馳せ、登場人物の行く末を思って
心は千々に乱れつつも、最早続きの出ることのない渋谷駅前でHACHIはリチャード・ギアの帰りを待ち続けたのです…
何日も…
何日も…
*1:この二人は体格も言動も似てるので同じプレイヤーないし、スカールがグインの2Pカラー説