テリー・ヘイズ著 山中朝晶訳 ピルグリム〔1〕 名前のない男たち

ピルグリム〔1〕 名前のない男たち (ハヤカワ文庫 NV ヘ)

ピルグリム〔1〕 名前のない男たち (ハヤカワ文庫 NV ヘ)

アメリカの諜報組織に所属する諜報員を監視する極秘機関。


部門の統括責任者は代々”青の騎手”と呼ばれる。


主人公”わたし”は史上最年少でその地位に選ばれた。裏切り者の前任者を殺した功績で。



数年後。引退した”わたし”は過去を知る友人ベン警部補の招きで殺人事件の現場にいた。



ポン引き、ドラッグディーラー、娼婦にギャングがうろつく治安の悪い安ホテル。


被害者は若い女


犯人は殺害現場の借り主。


よくある事件。


よくある現場。


だが、現場にはDNAサンプルを鑑定不能にする殺菌スプレーがまんべんなく塗布され、遺体の顔は潰され、歯型から身元の特定も不能にされていた。


この犯人はただの犯罪者ではない。


他ならぬ”わたし”が扱っていた手口を参考にした、冷徹な計画にもとづいて動いていた……



そんな執拗なメガバイオレンスから始まるお話は、主人公”わたし”、相棒ベン警部補、そして二人が追うことになるであろうテロリスト「サラセン」の過去に飛び


超かっこいいエピソードと、ドン引きバイオレンス描写をワンツーパンチで放ってくるおもしろブック。



「大統領直属の秘密諜報機関。名前を明かすのは勘弁してくれ。」って記述に「なんかバカみたい」って思って油断したのがミスだった。


これすっごく面白いわね!


バイオレンス!面白エピソード!バイオレンス!溢れ出る叙情!って感じの行ったり来たりが見どころです。