ロバート・ブートナー著 月岡小穂訳 孤児たちの軍隊3 銀河最果ての惑星へ

孤児たちの軍隊 3: 銀河最果ての惑星へ (ハヤカワ文庫SF)

孤児たちの軍隊 3: 銀河最果ての惑星へ (ハヤカワ文庫SF)


ナメクジみたいな宇宙人と戦う超ありがちで古臭いな設定にもかかわらず妙に面白いシリーズの第三弾。

敵から鹵獲した宇宙船を研究していたらいきなりワープして、宇宙の果てのローテク惑星に連れて行かれた。

その星には恐竜に騎乗し、黒色火薬の銃を使うパルプSFにありがちなファンタジー人間が住んでいたでござる。

ところがこいつら3部族に分かれてて超仲悪ぃ。

この星にもナメクジ型宇宙人の前線基地はあって、ちょっとリサーチしたら1年以内にブワーッと増えて人類を根絶やしにする気まんまん。


こうなったら野蛮人共を炊きつけて、先制攻撃をかけるしかねえんだぜ!

アメリカの戦争を教えてやる!俺は火星の大統領!!


そういう感じのSFです。

歩兵の心情や軍人のジレンマは物凄くリアルな割にシチュエーションはふわっとして奔放なところが魅力だと思います。


騎竜民族! 大族長! 草原を埋め尽くす竜騎兵!

乱れ飛ぶ緑色の人類ぶっ散らばり光線!

適当な行動を勝手に解釈してこっちを祭りあげてくれる迷信深い原住民!


アフガニスタンゲリラへの軍事顧問に来たアメリカ軍人の話だと直接過ぎてアウトなんでこういうことになったのかしら……って一瞬思ったんですが

そういうのは最初だけで後半はただひたすらパルプでB級な感じのイカス戦場スペクタクルが展開する。

4巻の刊行も決まって途中で打ち切りになるリスクとも無縁。

こいつは、今、なかなか良いぜ……?