殺人者たちの王 バリー・ライガ著 満園真木訳


史上最悪のシリアルキラーに育てられた田舎町の17歳が、自らの中に植え付けられたサイコパスの因子に怯えつつも、それ故の洞察と共感を用いて殺人鬼を追い詰める猟奇殺人ジュブナイル
『さよなら、シリアルキラー』の2冊め。三部作構想なんですって。


カリスマ殺人鬼の煽り立てるままに行われる連続殺人ゲーム。

田舎町からニューヨークへ呼びだされたジャズは事件を止められるのか。自らの呪われた血の因縁を断ち切ることが出来るのか。

文章達者で展開も緻密で訳文は美しく、すいすい読める。

ただ、主人公ジャズやガールフレンドのコニー、親友のハウイーのメインキャラクター3人がみんな揃いもそろって人生への期待と不安、分泌過剰なホルモンの暴走に苛まれる17歳なので

やたらと若者の愚行を強調した非合理選択肢を選びまくるのがちょっとストレス。『限界点』の最適解おじさんを派遣したくなる。

事件は解決せず、崖っぷちクリフハンガーのまま次の巻に続いたので、3巻読まないとなんとも言えない感じだわね。

読んでて面白いのに、もやもやする実に不思議な本ざました。