心静やかに

Kurono422005-11-30

宇宙を受信したので日記がコスモに満ち満ちました。
ギャラクティカパルスが六道輪廻を貫いて災厄の中心を貫通したからには
WARロードが開かれてハウディードゥーディターイム。


今年で29歳になるお姉さんが迷彩服を着て走りこんできた。
みんなー、BattleField2の時間だよー。
湿ったきぐるみも虚ろな目でAKを振りかざします。
歌のお姉さんは一声で100人殺せるらしい。
きぐるみのなまえはアミン君。人肉食いです。
おはようの歌を歌いながらお友達がスタジオという名の戦場に入ってきます。
みんなみんなとってもいい子。あっちもこっちもそっちも笑顔。


第二小節まで歌い終わるやいなや敵軍の空爆支援がスタジオを薙ぎ払った。
台東区からお越しの夏瀬君はその名の通り空中高く放り上げられるとラグドール効果で
ゴム人形のように手足をぶらつかせながら暗い断崖の下の逆巻く海へと落ちていった。


スタジオは阿鼻叫喚の修羅の巷。酸鼻極まる光景の中、お姉さんが子供達をどやしつけます。
「歌えー!歌えおまえらー!ハイ!おーはーよー!おはーよー!歌えっつってんだろうが!」

アミン君は完璧なプローン体勢を取って遮蔽物の陰を縫うように近づいてくる武装勢力
尖兵に3点射を浴びせています。だらしなく開いた口元からは殺戮の恍惚と来るべき晩餐への期待で絶え間なくよだれがこぼれ落ちる。


あっちもこっちもそっちもKIA。うめきのたうつよい子達。
「衛生兵!衛生へーい!」
衛生兵のマーチが始まりました。
皆仲良く手をつなぎ、輪になって輪になって輪になって踊る踊る踊る。
すると車体にC4爆薬を満載したピックアップトラックが荷台に据え付けられた機銃を
乱射しながら踊りの輪に突っ込んだ。
運転席から転がり落ちた髭面ターバンの男が痛みに朦朧とする意識を奮い立たせて
右手のスイッチを押すとど派手な火柱が上がり、我が軍のMBT、M1A1エイブラムスが
木っ端微塵に吹っ飛んだ。車長席で運転手の後頭部を蹴っ飛ばしていた港区からお越しの
からす君も木っ端微塵に吹っ飛んだ。我々の戦線は壊滅状態だ。


お姉さんはもうぴくりともしない。
アミン君は掩蔽体の影で何かを貪り食っている。


衛生兵の腕章をつけたオデは必死で這いずり回りながら皆に電気ショックを与えて蘇生させようとする。
ちくしょうちくしょうちくしょう、皆いいやつだったのに。とってもいいやつだったのに。

「帰って来い!」(キュイーン)
「帰って来い!」(キュイーン)
「帰って帰って帰って来い!」(キュキュキュイーン)


「オッケー!リチャーァジ!」


すると皆は次々飛び起きて銃を引っつかむと敵軍に向けて猛射を加え始めた。
我が小隊の上げた戦果は絶大だ。
スタジオ中心部の拠点を制圧することが出来れば敵軍の動きは極めて鈍くなる。
叙勲間違い無しだ。


すると向こうの角からT90戦車が現れて機銃掃射でさよならマーチ。
あの世から、戻った途端にさらバイバイ。
約束マーチを歌って突撃行軍するオデの横で紫苑マンの脳漿が弾け飛んだ。
前方200メートル先のビルの屋上に構えるスナイパーの姿。
光るSVDのスコープ。間近に突きつけられた死の匂い。
すると狙撃手の正面に風を切ってMI-24ハインドが浮上してきた。
コックピットに座るのは一声で100人を殺してヘリを奪い取った歌のお姉さんだ。
お姉さんはスナイパーにロケット弾の雨を降らせてミンチにするとそのまま機首のバランスを崩し、駒のように空中でくるくる回ったかと思うとT90に突っ込んで爆炎の中に消えた。


そして催涙弾が炸裂し、閃光手榴弾がオデの網膜を焼き、涙と鼻水を垂れ流しながら
両手で目を押さえてのたうち回る衛生兵めがけてジップラインが打ち込まれ
特殊部隊が次々と滑車で降下してくるとよってたかってナイフを突き刺して無力化した。


画面下部にスタッフのテロップが流れ、エンディングテーマがはじまった。
今日もスタジオは死屍累々。
戦争は人類のもっとも愚かな犯罪なのだ。
愚かな愚かな愚かななのだ。


BF2、それは素敵なゲーム。