ゆるゆる第六世界



2日連続でシャドウランGMをする。

 

同じシナリオを使用したのだが、人質奪還のために敵拠点を襲撃するシチュエーション

でそれぞれ取ったアプローチが細かく違うのが面白かった。

 

1チーム目は

トロールボディガー

ミスティック・アデプト

フェイス

テクノマンサーの4人構成。

 

2チーム目にはマトリックス担当が不在だが

 

フォーマーカンパニーマン(正面戦力)

フィジカル・アデプト(モノフィラメント・ウィップ)

コンバットメイジ

フェイス

ドローンリガーの5人構成だ。

 

1チーム目。猛烈な勢いで作戦を立て始める。

1.まずは拠点のマトリックスホストを掌握

2.続いて見張りを静音狙撃。

3.しかる後、人質部屋に非実体で精霊を投入して不測の事態に備えた上で室内の見張

りをおびき出し、部屋を出たところでドアをロックして人質の安全を確保。

4.突入して敵を掃討する

 

完璧な作戦。

 

「ごめん、ライフルに消音器ついてなかった」

 

前提瓦解。

 

姿を消したメイジが接近し、感化の呪文で「なんかコンビニに行きたく」させてその隙

 

に突入する作戦!接近する必要は別にないのだが、狙撃案が生きてた時点では、対象が

 

生き延びたらフォローする予定だったのでなんとなくそのまま実行された。

 

呪文で足音までは消せず、見張りのダイス目が良くてバレた

 

「なんか足音がするな……?」首をひねる見張りに炸裂する「感化」呪文!!

「うわー、なんか急に2ブロック向こうのコンビニの”デラックス・オキアミ・のり弁”食べたくなってきた」

 

成功だ!

 

「LINEグループで皆に報告しとこ。コンビニ、行って、きま…」

 

わーーー!!この呪文は”思い込ませる”だけなのでこういう事されるのだ。

 

「助けてテクノマンサー!」

 

「しょうがないなあ」

 

イニシアチブ順に処理したが、間一髪のところで見張りのスマホマトリックス空間か

 

らデータスパイクが流し込まれ、見張りのスマホが煙を上げて沈黙した。

 

報告は阻まれた。プシュ!見張りの首筋に麻酔ダートが撃ち込まれ、無力化される。

 

「危ないところだった…」

 

次は人質の見張りをおびき出す番だ。フェイスが虚言技能で文面を作成し、テクノマン

サーが偽メールを出して部屋の外へ…完璧だ。

 

――虚言判定のヒット数1。

 

「見張りくん😀元気ー!?やっほー!😆ご飯食べてるカナ?おじさん心配!外行

こ?」

 

対抗判定のヒット数――2。

 

 

 

「敵だ!」

 

 

 

おじさん構文過ぎてバレた。

 

「バレた!突入だ!」ドア横で待機していたチームが室内に押し入り、銃撃戦になる。

 

前衛で踏ん張るトロールを襲う敵の「感化」呪文!

 

「お前ンとこのメイジ、コーポの犬でお前の命狙ってるから早く殺したほうが良いよ」

 

「そういえば俺、企業への偏見があった。死ね!バキューン!」

 

「アブねっ!」

 

ぎりぎり外れた

 

 

 

「考えたらお前が企業の犬な筈なかった!すまん!」

 

「いいんだ…ウン」企業SIN所持者で現在も密かにミツハマに籍が残ってるメイジはこわ

 

ばった顔で優しく許した。

 

「いいヤツ…やはりストリートの仲間は信頼できる…」

 

次のターン再びトロールが感化されてメイジを銃撃するとはGMも思ってなかった。

 

 

 

「誘拐犯も企業の犬もまとめて片付けてやらあ!」

プレイヤーのとんちで難易度の高い同時射撃オプションが宣言され、メイジへの攻撃は

 

外れた。元々インビジしてたのもでかい。

 

「すまん!またしてもお前を!お前を企業の犬だと思うなんて!」

 

「……いいんだ」

 

不穏な将来を予感しつつ全員生還。

 

 

 

2チーム目。マトリックス担当は居ないが、メイジとドローンリガーがいるので、まず

 

はドローンで周囲を偵察。屋外の見張りを把握した後、正面入口横の換気ダクトからシ

 

アワセ社製”カンムシ”マイクロドローンを侵入させて偵察を行う。

 

「心配だからアストラル投射してついていきます」メイジも同行。

 

ドローンのカメラ映像がチームのARに共有される。

 

室内にいるのは敵…敵…ボス…あと精霊。

 

精霊?

 

精霊。

 

メイジと精霊の目がバッチリ合う。

 

「契約者よ、襲撃です」

 

「よし、人質を殺せ」

 

秒でバレた。ウワーーー!!!

 

 

「やるしかねえ!」

 

こっちのチームの狙撃銃にも消音器はついてなかったが、こうなったら関係ねえ。正面

 

入口の見張りが轟音とともにひっくり返り、展開していたドローンが自動で銃撃を開始

した。その数4機。

 

幽体離脱中で実体空間に影響を及ぼせないメイジは慌てて契約してあった炎の精霊を召喚。

 

位置取りの関係上、敵も一斉に部屋から飛び出して激しいストリートファイアファイト

が展開した。

だが精霊の実体化で一手番遅れたのが痛い。人質部屋の見張りがアレスプレデターを抜いて人質を射殺…しようとしたらダイス目が悪くてグリッチした。

 

排莢不良!人質はエッジ使って回避。「アブねっ!」

 

「狙って狙撃!10ヒット!」

 

「エッジ使って12ヒット!回避!」

 

「ロングバーストで6ヒット!」

 

「エッジ回避!8ヒット!」

敵主力とチーム前衛がド派手な銃劇を繰り広げている所に飛んで来たドローンたちが無

慈悲な銃撃を加える。

 

「その程度…!」

BATATATA!

「ギャア!」

「なんだァ?」

BLAME!BLAME!

「ぎい!」

 

人間だけを殺す冷酷マシーンだ。

 

機関砲搭載ドローンにジャンプインしたリガーが「制圧射撃ですわ!」って叫んだので

敵主力は全員這いつくばった。

這いつくばった所に攻撃が集中し、身体に戻ったメイジのスタンボルトでボスが昏睡し、頭を抱えて転げ回っていた雑魚達はドローンに無感情な銃撃を食らって全滅した。

無慈悲な戦場ですわ。

 

「俺なら行ける!」アデプトが判定に成功し、弾幕を突っ切って室内に突入。

入口横に居た敵をサイコロステーキにする。強い。

「俺は――これしか出来ない男だから……」「これだけは誰にも負けないから……」この人、敵をバラバラにする度にそれ言ってない?

 

密室内で排莢不良を直し、人質にとどめを刺そうとしていた敵見張りの背後でドアが膨

れ上がるようにして吹っ飛び、ワルキューレを片付けたフォース6の炎の精霊が突入してきた。

「炎の精霊かよぉー!」

 

藤田和日郎作品みたいな顔で死の抱擁を避けたメイジだったが、走り込んできたアデプトにバラバラにされた。

 

「俺はこれしか…」

 

土手っ腹に流れ弾を食らったフェイスがずっと七転八倒しながら統率技能で皆にバフ飛

ばしてたり、割と壮絶な戦闘だったが、人質は無傷で奪還。こっちのチームは鉈みたい

な勢いあるアクションが印象に残る。あとドローンとサイコロステーキで現場が凄惨に

なりがち。

2連続でGMを満喫したわ。