ラッパンアスクの思い出

その17 黒く燃えるボーン

一行は言葉もなく立ち尽くした。「プッチ神父ーッ!」言葉もなかったがとりあえず仲間が死んだ時の叫び声をあげた。「何故だーっ!何故こんな事をーっ!」「いやあ、なんか新キャラ作りたくなって…回復ばっかだとつまんないし」「ちょwwwww」死者の恐る…

プッチ神父[TRPG][D&D][ラッパンアスクの思い出]

プッチはそこそこ裕福な商家の三男坊として生まれ、幼い頃からその頭の良さで両親を喜ばせた。年の離れた長男は既に商家を継ぐために父親のもとで仕事を学び始めており次男も長男を補佐する役目を期待されて勉学を続けていた。三男であるプッチに期待された…

その16

レンジャーのマーヴェリックを加えたラッパンアスク攻略隊は死者の殿堂の地下2階へと足を踏み入れた。そこは北と西に向かって真っ直ぐで幅の広い通路が延々と続く石造りのフロアであった。如何にも本格的にダンジョン攻略が始まった!って気持ちが盛り上がる…

 その15-2 地下120メートルの伊達男

プレートメイルがガチャガチャなるくらいガクブルしながら溜息のように静かな歩みで地下一階を奥に進むと、下に続く階段が現れた。現れたからには降りるしかない。グズグズしていると後ろから黄色い悪魔が突っ込んでくる可能性もある。だが、ここはラッパン…

その15 びくびくアローマン

全ての良きものの幸いと善と法の大義と星々の運行を守る義務とを背負って ラッパンアスク攻略隊は肩身が狭かった。 最初に出発した時は人類の敵に雄々しく立ち向かわんと打って出る国家の英雄であった。 次に出発した時は友を失い、悲壮な覚悟を胸に運命に立…

その14 イエロー恐怖

唐突な襲撃であった。 ネズミ人間達の攻撃を退け、通路の向こうから聞こえてくる怪しげな物音にびくつきながら発光する鎧の明かりを頼りに迷宮を進んでいた一行は、入り口から北に向かった先の部屋で妙な小部屋に行き当たったのだ。あまり広くない正方形の部…

その13.5 泣く女

隠密など怯懦の表れよ!と3秒後に死にそうな開き直りと共に直進した一行は、左右に無数の脇道が並ぶ太い通路に出た。その通路のど真ん中で、襤褸をまとった一人の女が両手に顔を埋め、身も世もなく嘆いていた。「…………」げんなりとお互いの顔を見合わせる一行…

その13

恐るべき緑の門番は倒された。その後復活してどっかに飛んでいったが、見なかったことになった。ラッパンアスクへの橋頭堡は築かれ、ついに攻略隊の一行は深淵の入り口へと足を踏み入るのだ。時に共通歴591年、鷹の月の事であった。なんか前に春とか書いた気…

 攻略隊STRIKESBACK!

「よし、茶番はここまでだ」再度、地獄のエントランスへと到達した一行はギラ付いた目になった。「今度こそぶっ殺す!」「今回の装備は完璧です」叙情性の影に隠れてひっそりと行われた儀式により全員の身体には非常用呪文がHDギリギリまで埋め込まれフォン…

 その12

「死者の影に取りつかれている」 馬の背に揺られ、先を行くギリオンとラシードの後姿を見ながらプッチ神父は思った。輝く黄金と黒玉の鎧をまとった騎士と、影の様な外套を頭から被った小男の対照的な二人。だが、悲壮なまでの想いが滲むその背中には、決意を…

□ファルメール 人間のナイト/ファイター LV5

ヴェルナ大神聖国の王子。国家危急存亡の瀬戸際にノブレス・オブリージュを果たさんと最前線に赴く。 スパイクトチェインを自在に操り戦線構築を担当する。 フェルメールは悩んでいた。ファルメールはヴェルナ大神聖国の王子である。王子というからには王の…

□フォンハイ 人間のウィザード LV5

炎のように赤いローブをまとった魔道師。 禁断の知識を求め、ついにラッパンアスクの深淵に足を踏み入れる。PLは山羊さん 気違いを見る目の情報司祭に案内された部屋には二人の男が居た。一人はヴェルナ諜報局の誇るダンジョンエクスプローラーたるラシード。…

□プッチ 人間のクレリック LV5

マハーバラに代わって一行の健康維持を務める事となったペイロア教団の神父。 好奇心旺盛で温厚な人格の持ち主。PLはブラフ先生 「先遣隊は寺院の入り口であっさりと壊滅した…最早一刻の猶予もならん、引き受けてくれるかね!?」必死の表情で訴えかける大司…

その11 「お礼参りだよラッパンアスク」

その日の朝、大門を潜った涙目の帰還者の報告にヴェルナの首都ミトリックは震撼した。 こないだも揺れていたので多分ミトリックは活断層の上にある。 それはそれとしてラッパンアスク攻略隊が物の見事に返り討ちに合い、いい気になったパラディンがフルボッ…

その10

アウカンは黙ったまま、マハーバラの穏やかな死に顔を眺めていた。 何故こんな事をしたのだ、 ここは俺の死に場所だったのだ。 サイードはともかく、お前が死ぬ場所ではなかった筈だ。 どうして俺の傷を癒す事などに命を投げ出したのだ。 まるで理解が出来な…

その9

死地であった。 サイードは倒れ、ギリオンも最早戦う事は出来ぬ。 剣を振りかざして立ち塞がるアウカンとマハーバラの二人を、8体のエメラルドで出来たガーゴイルが取り囲んでいた。 感情と言うものをまるで持たないその顔は美しい人間そっくりに彫られてお…

その8.75 アウカン

ついにパーティーは初の戦死者を出した。はやての君の尊い犠牲を出しつつも逃れ続けてきた死神の爪が、一行に追いついたのだ。敵は依然として無傷。4人しか居ない戦力の一角を欠いたこちらとの戦力差は絶望的なまでにはっきりしていた。 狂った様にサイード…

その8.5  エメラルドの門番 

一行が敷地に足を踏み入れた瞬間、音もなく閃く雷光に照らされて鎮座していた8体の彫像がゆっくりと顔を動かし、自ら死を求める愚か者の群れを 無表情に睨み付けた。 その背で翠玉の翼がゆっくりと羽ばたき、忌まわしい羽音を立てると宙に浮かび上がり、侵入…

その8

見るも厭わしき壮麗さであった。 流された血で黒ずんだ玄武岩と、生贄を切り裂くナイフを思わせる黒曜石と、禍々しい黄金で彩られ見る者を狂気に駆り立てる様なカッコイイレリーフ(生きながら怪物に喰われる人とか)がびっしりと彫り付けられた外壁は頭上の…

その7.5 再び災厄の中心へ

さて、傷を癒し体勢を立て直した一行は再び南の大門の前へと集結した。 志も新たに目指すはラッパンアスク地上開口部。 邪悪なる魔神を再び深淵の底へと放逐せんがため。 むいむいとランダムエンカウントを掻い潜り、一路南へ、南へと突き進む。 街道をまっ…

その7 

■聖騎士ミッドナイト 愛馬はやての君を失ったギリオン卿の悲しみは深かったが、法と正義の大義にその身を捧げた聖騎士たるもの、哀しみに押し潰されたりはしない。 パラディンらしく下宿でゴロゴロしつつ、月刊騎乗突撃マガジンなどを読んでグリフォンやダイ…

その6

夜明けであった。 前夜の勝利に高揚しつつ、野営明けで冷え、強張った身体を伸ばして出発の準備をする一行。 周囲には生き物の気配はない。 ただひたすらに荒れ野が続いているだけであった。 遠く岸壁に砕ける波の音が響いてくる。 冷たい携行食を何とか飲み…

その5

目に映る全てから顔を背け、流れる時代にも背を向けて僕らは走ってきたよね。 しらじらしいポエムを呟きつつ巨大蜂の巣、仮称:デーモン蜂ピットを放置して荒野を進む一行。 だがしかし、時の流れは止まらない。 血の様に赤い夕日が西の山脈に沈もうとしてい…

 その4

沼地を後にした一行の前方に、小さな洞窟の入り口が見えてきた。「あれこそがラッパンアスクの墳墓寺院への入り口やも知れぬ…!」「なあ…そろそろ分かってるだろ…?そんなわけないよな?」「……う、うん。」「いや、でも中に入ったら奥で広がっててそっちに立…

 その3

ぽっかりと口を開けた地獄への入り口を見なかったことにした一行は空に脅えつつ、南へ向かう。 鳥だ、飛行機だ、レッドドラゴンだ。海岸線は赤い暴君、赤竜アルガナクの縄張りなのだ。 膝をガクガクさせながら幾つ目かも覚えていない砂丘を登ると、視界が開…

 その2:

表に出ると早くも太陽は西の空に傾き始めていた。 夜が、近づいているのだ。 唯一のセーフゾーンであったシーコーストロードにヴァンパイア警報が鳴り響く。 彼方から押し潰された様に反響するサイレンが聞こえてくる。 むせび泣く様な警報音と共に足元のテ…

 その1:地獄の釜の蓋が開いたの巻

その日、ヴェルナ神聖国の聖都ミトリックは激震した。 長らく姿を現さなかった伝説的なラオの司祭長、ヘイゼン導師が民衆の前に姿を現し神託を告げたのだ。 かつてこの地上に存在したおぞましく呪われた数々の迷宮。 その中でも最も邪悪で最も危険と呼ばれた…

 前夜の巻

「せっかくだから遊んでみませんか、ホラ、僕らのプレイスタイルは殺すか殺されるかって感じじゃないですし、クリア目標でぬるめにバランスとってゆったり遊びましょうよ。」 にこやかにそう告げたからす先生の表情から先ほどの鬼気迫るオーラは消えていた。…

ラッパンアスクでえらい目にあった話がいっぱいたまって来たのと、この間プレイした時に最初の頃の話で盛り上がったのでメモッておきます。 ・ ・ ・ ・ ラッパンアスク! その名前を聞く度に我々は湧き上がる嫌悪と死の恐怖に呻き声を上げる! 最初にその呪…