『Warhammer40000:KILLTEAM』クラエヴァーン特務分隊登場の巻

近場で場所を借りてかなり神経質なセッティングのもと、ワクチン接種済みの二人で念願のキルチーム(2021年版)を遊んだ。

約1年ぶりの対面ゲームであり実体ダイスを振るのもそれくらいぶりだ。

 

キルチーム!!!

暗黒の遠未来、人類帝国は滅亡の危機に瀕していた。

押し寄せる銀河列強!敵性宇宙生命体!人の運命を弄ぶ渾沌の神々に叛逆者!

もういっぱいいっぱいになった人類は超抑圧的な全体主義軍事帝国の管理のもと

かろうじて存続し、終わりなき戦いを繰り広げていた。

 

百万の星々に数億の戦場があり、数兆の兵士達が決死の不可能作戦に投入される。

そんな『Warhammer40000』の宇宙を舞台にしたスカーミッシュコンバットを遊ぶ小規模小競り合いミニチュアゲームなのだ。

 

 

 

■自軍キルチームの紹介

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クラエヴァーン特務分隊

所属:デスコーア・オヴ・クリーグ 第179連隊

クリーグ星の決死兵団に属するこのキルチームは

クラエヴァーン軍曹を筆頭に全員が死刑囚の懲罰部隊だ。

放免を条件に生還率極小の不可能作戦に投入されるメンバー達は凄腕ぞろい。

ところで僕は小隊と分隊の区別もイマイチよくついてない。

 

 

イカれたメンバーを紹介するぜ!!!

 

 

サージェント:クラエヴァーン 連隊きっての切れ者との評判をとるが、切れすぎた。 


スナイパー:ジュルテン 無能な上官を”誤射”して軍法会議送りに。紅茶を偏愛。


スポッター:ケイスト 無能な上官の真上に爆撃を指示して処刑されそうになったところをスカウト。なお当該事件における死者は1名、負傷者は0。コーヒー派。


コムズ:カビル 上官が綴りを間違え続けるのにキレて頭をカチ割る。字が読めるのがバレたため不正学習の罪で死刑。 

 

メディック:アルニム 負傷しながらも全員特攻を命じようとする上官を”壊疽から助けるため”首を切断して軍法会議送りに。


ジーロット:ヴァーポック 皇帝礼賛の聖句を唱え間違えたという理由で上官を扼殺。銃殺刑に処されるも5発では死ななかったため懲罰部隊に。罪状は軍事物資浪費罪(ラスガン1発分で労役10年)


ハーデント:スタグラー 自殺特攻を命じた上官をひっ掴んで特攻。大戦果を挙げ上官は戦死。本人は生還した為、命令未達の罪で極刑に。 


ガンナー/メルタガン:ジェント 有毒ガスの充満する車内に閉じ込められた味方を助ける為に自軍の戦車を破壊して有罪。


ガンナー/フレイマー:ボザンコ 恨み重なる上官の横流し物資を燃やして灰にしたが、ブツが麻薬だったため部隊全員がトンでしまった。死刑。


ガンナー/グレネードランチャー:ヴァンチョック 数字が苦手で3までしか数えられない。上官から「10秒後に爆破せよ」との命令を受け死刑囚に。

 

以上十名! 

今日も無茶な戦場が俺達を待ってるぜ(なんか勇ましい音楽)。

 

※プレイ形式はナラティヴプレイ。

戦場プランはコアブックの重大作戦パック2.1「加熱する敵意」を使用。

 

それは誤算から始まった。

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オクタリウス星系のとある惑星。制圧済み敵拠点にて

「隊長、なんでわざわざこんな拠点の巡回任務なんかが回ってきたんです?」

「絶対善意からじゃないのは確かだが……金ぴか組の頭の中を理解しようとしても無駄よ無駄」

若干ゆるめのクラエヴァーン隊がキルゾーンに足を踏み入れた瞬間、スポッターのケイストが鋭く告げる。

「侵入者発見!1……2……でかいぞ!しかも速い!!」

「敵は……アデプトゥス・アスタルテス!!大逆兵団か!?」

「まだ増えるぞ!3……4……!」
「畜生!直接軌道降下だ!ありゃケイオスじゃねえ!!味方側のプライマリス・レイヴァーだ!」
「なんで味方の筈のスペースマリーンが俺たちの所に!?」

 

キルチームが大騒ぎしてたら第1ターンに敵の戦術目標カードが開示され

「人質救出」の任務をおっている事がわかった。

同時にこちら側の陣地内に救出対象の人質トークンがポップアップした。

「ちょwww」

「誰wwwww」

「知らねえ奴wwww」

 

「畜生!!どうやらはめられたぞ!!」

一しきりパニクったののち、軍曹が一声叫んだので

クラエヴァーン特務分隊は何者かに濡れ衣を着せられて精鋭中の精鋭

スペースマリーン・レイヴァーの潜入救出部隊と交戦する羽目になった…ということに。

敵は死の天使。言い訳とかはあんまり聞いてくれない。

「あのー!僕ら別に人質をどうこうしようって気はなくてですね」

 

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「任務を……遂行する……」

駄目そうだ。やるしかない。

 

 

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ガンナーのジェント、戦術目標確保のために必死で走る。

「ひいいい!!死ぬ!死ぬ!」

ジェンコーッ!!遮蔽に飛び込め―ッ!!」

部隊でただ一人、仲間を助ける為に行動して死刑判決を受けた心正しき青年ジェンコが初期配置ミスをリカバリするために無茶なダッシュを強要された。

 

「ドウン!ドウン!ドウン!!」特殊仕様ボルトピストルの重い銃声が腸を震わせる。

一発貰ってライフが半減したが何とか生き延びた。

 

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「待ってろ……今そいつを仕留めてやる……」

すかさずカヴァーに入ったスナイパーのジュルテンがジェンコを追うレイヴァーを狙撃する。

戦場を貫くロングラス・ライフルの閃光!!

 

あっさりはじかれまんた。

 

「ああっ!強化装甲服怖い!!」

 

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「大丈夫だ……奴の銃じゃここまでは届かねえ……」

 

一方そのころ、スタグラーを中心にした4人がバリケードに陣取り、接近してくるレイヴァーと対峙していた。

「奴が接近してくるまでに俺達は何発撃てると思う?ハチの巣だぜ!」

 

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「あの重装甲でなんて身のこなしだ!」

とか油断してたら超人兵士特有の物凄い移動力で距離が詰められ、バリケードの内側に手榴弾が投げ込まれた。

「ウッギャーーー!!キン肉マン!!」

 

 

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「なんか向こうはえらいことになってるなあ……」

あっという間に戦場のカオスと殺戮がまき散らされる。

クラエヴァーンが呆然としてたらこっちにもレイヴァーが走ってきた。

「う、うわああ!ヒットマンじゃ!!」

「まだ死にたくねえ!」

「あ、くそ!俺を押し出すな!!」

 

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「こうなりゃヤケど!ヒットマンがなんぼのもんじゃーーー!!!」

半泣きでプラズマピストルをぶっぱしたらクリティカルが出てレイヴァーは倒れた。

大金星である。

「やった!やったど!」

「見たかー!これが隊長の実力じゃー!!」

怯え切っていた部下も手のひらを返した。

 

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「よ、よし。この射程なら私のホットショット・ラスガンが有利だ」

熱烈な人類皇帝崇拝者であるヴァーポックもまた長い距離を挟んでレイヴァーと対峙していた。彼のラスガンには通常より高圧のエネルギーパックが装填されている。

距離を生かして全弾当てれば如何にスペースマリーンといえども無事では済まない。

だが必中を期すには心の安定が必要だ。唱え慣れた祈りが口をつく。

「神たる皇帝陛下は言われた……」

 

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シュンッ!!

「……この…糞野郎……」

「任務を遂行する……」

 

刃渡り一メートル近いナイフが閃くとヴァーポックは三分割された。

 

 

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「1、2、3……1、2……3!!!」

グレネードランチャー担当のヴァンチョックは数字が苦手で3以上の数を数えられない。なので「いいか、俺の3MV以内に敵が来たらそいつを対装甲グレネードで撃つんだぞ」ってクラエヴァーンから優しく言われていた。

そして今彼の目前でヴァーポックを殺った敵が敵の銃火を恐れて遮蔽に飛び込んできたクラエヴァーンに迫っていた。

「3!!!」

 

満を持して発射されるクラック・グレネード!!

 

「カンッ!」

 

甲高い音を立ててグレネードは装甲表面を滑り、跳ね上がり、近くの構造体に当たって爆発した。演出は長いがつまり敵はノーダメージだ。

 

「3……」ヴァンチョックの哀しげな呻きが戦場に落ちた。

 

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ドウン!ドウン!恐るべきボルトピストルの銃声が連続する。

ボルトピストルの弾丸はロケット推進する質量反応弾である。

当たれば人間の胴体には大穴が空き、掠っただけでも手足が吹っ飛ぶ。

そんな化け物みたいな銃を片手で連射しながらレイヴァーがジェントに迫っていた。

2メートルを超える巨体をフォボス型パワーアーマーに包み、一歩毎に筋肉とセラマイト合金の大質量が大地に深々と足跡を刻む。だがその動きに鈍重さはなく、銃口も吸い付くようにジェントに向けられたまま安定していた。

 

「このままじゃ俺か隊長のどっちかがやられる……やったらあああ!!」

 

このタイミングでレイヴァーのダイス目が滑った。

さらに遮蔽にかがみ込んで戦術ポイントでロール振りなおしまでしたジェントはクリティカルでダメージセーブに成功。生き延びたのだ。

そして生き延びてしまえばジェントの武器はメルタガンである。

ピストルと同じ短射程武器ながら、当たれば戦車だって吹っ飛ばす皇帝陛下から賜りし神の銃だ。メルタ。嗚呼メルタ。僕はメルタを愛している。メルタの射程が視界ならいいのに。出来れば僕のメルタだけ。

 

熱線だか溶解重金属だか重粒子ビームだかよくしらないけどなんか致命的なものが銃口からほとばしり、ジェントの死神は倒れた。紙一重で彼は命を拾ったのだ。

嗚呼メルタ。銃に名前を付けるべきだろうか。

 

 

 

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死神の銃口がヴァンチョックへと向く。

衝撃。

被弾。

ボルト弾がヴァンチョックの質量に反応してさく裂する。

 

ヴァンチョックの残りライフは2。回避ダイスは3だ。

 

「3!…3!……3!!」

 

「あ、特殊仕様ボルトピストルは貫通1なので回避に振れるダイスは1減ります」

 

「2ィーー!!」

 

2成功!!回避!!

 

「3!!」固唾を飲んで見守る仲間を振り向くとヴァンチョックは最高にいい笑顔で笑った。

 

 

「あ、すみません。こいつリーダーだから命中値高いわ。もう2ヒット追加で」

 

ヴァンチョックがいい笑顔で「3!」って振り向いた構図のままカメラが下がったら胸に大穴が開いていた。

 

「3……」

 

ヴァンチョック、死す。

 

 

このあとスタグラーの首が飛んだり、クラエヴァーンが真っ二つにされたと見せかけて発信機が取り付けられたので敵の勝利ポイント1と引き換えに実は生きていたりしたが、開始から約3時間、第2ターニングポイント半ばで時間切れになった。

この時点のVP集計が行われ、結果は4対3で1点差。

クラエヴァーン分隊の辛勝だ。やったー!!初陣勝利だよー!!

 

敵に長射程のボルトカービンを装備したレイヴァーが居なかったのがでかかったが

帰り際にプレイヤーが「次はカービン組み立ててくるわ」と言い残したので未来に暗雲が立ち込めた。怖え。

 

評判良かったけどやっぱり新キルチームは暴力的に面白かった。

ただルールの確認しつつの初回プレイとはいえ3時間で半分も行ってないので

短時間で手軽にプレイとかできるのだろうか……って顔になったわ。

ちなみにわたくしは他のミニチュアゲームやってもルール確認に手間取って時間切れになりがちマン!!

 

5体編成のスペースマリーンはともかく、数が多い勢力のプレイヤーは長考控えめとかの配慮があった方がいいかもしれないとは思ったが、この辺りの議論は熟練プレイヤーの間である程度結論出てそうなので、思っただけにとどめる。

 

ルールは見事な出来だが記述が法律用語か哲学書かって複雑さでわたくしの様なミニチュアゲームプレイ経験があまり多くなく、RPGと違うルールの記述方式に慣れていないプレイヤーが理解するのには時間がかかった。

「○○は××である」「■■は△である」「◎×は◇である」みたいな定義の記述が多く、「ってことは全部を組み合わせて考えると〇●△×ってこと?」等と読んで考えないと処理の結論が出ないパターンが多いのだ。

これは翻訳よりも原文が分かりにくいせいであろう、という意見を見たので、思ったより時間のかかってるFAQ次第で遊びやすくなるのではないかと思う。

 

初回のおっかなびっくりプレイでこの面白さなので今後も隙を見ては遊んでいきたいわ。傑作よー!