バリー・ライガ著 満園真木訳 『ラスト・ウィンター・マーダー』


シリアルキラーのエリート教育を受けて育った全米最悪の殺人鬼の息子が、父親を追う。


行方不明の母親は果たして生きているのか。


連続殺人の裏に見え隠れする共犯者”みにくいJ”とは誰なのか。


謎が謎を呼び、急転直下の展開を見せる三部作完結編。



とんでもないぶった斬り方で終わった前巻の直後から物語は再開し、最初っからトップギアで突っ走る。


前回僕を戸惑わせた登場人物達のホルモンに惑わされた愚かな行動も減り、物語は謎の解明と主人公ジャズの選択を中心に展開する。


心理的にも肉体的にも社会的にも追い詰められ、それでも追跡をやめないジャズは実に格好いい。


読み始めて一気に最後まで読める面白さであった。


どんでん返しもきちんと用意されて、期待を裏切らない作り。


でも何故かわたくしの心にはなんとなく釈然としない感情が残るのであった。はて。