マーク・グリーニー著 伏見威蕃訳 暗殺者の反撃

暗殺者の反撃〔上〕 (ハヤカワ文庫 NV)

暗殺者の反撃〔上〕 (ハヤカワ文庫 NV)

暗殺者の反撃〔下〕 (ハヤカワ文庫 NV)

暗殺者の反撃〔下〕 (ハヤカワ文庫 NV)

コートランド・ジェントリー。元CIA非合法部隊通称”グーン・スクワッド”所属の工作員
コールサインは”シエラ・シックス”。
暗号名:ヴァイオレーター。

またの名を、誰でもない男”グレイマン”。


凄腕の非合法工作員だったグレイマンさん。

だが、ある日身に覚えのない罪で彼の住居をチームメイト達が襲撃した。


「発見次第射殺命令」


あまりにも苛烈な運命が彼を襲ったがグレイマンさんは何しろ凄腕なので襲ってきた凄腕のチームメイトの大半をぶっ殺して闇に消えた。

影の世界にその名を轟かせる暗殺者”誰でもない男”の伝説の始まりである。


レイマンさんは愛し、忠誠を誓った母国を脱出し、フリーランスの暗殺者として活動を始める。



恩人に裏切られ

ロシアンマフィアを壊滅させ

独裁者を拉致し

うっかり人助けを我慢できなくて麻薬カルテルを敵に回したり

CIAのキラーエリートに付け狙われたりする。


毎回毎回、ズタボロになり、傷が原因の高熱にうなされ、応急手当と仮眠だけでHPを無理矢理回復して悪を倒す。


そう、グレイマンさんはグッド属性の暗殺者なので悪党しか狙わないのだ。

殺す相手は彼が悪党と認めたワルだけだ。

おいおい、マジかよ。21世紀にそんなシンプルな独善成立するのかよ。

無論しない。


敵はみんなグレイマンさんのグッドガイ主義をちくちくちくちく突く。

恩人の孫娘を誘拐して裏切らせたり

口を利いただけの市民を誘拐して彼をおびき寄せたり

そもそもお前の正義って都合よすぎるよな?お前は独善的で滑稽なカウボーイだぜ?と

嫌味を言いまくってグレイマンさんの心を苛んだりする。



レイマンさんはシンプルなアメリカ人だ。


アメリカの理想と正義を信奉している。


非合法工作員に要求される技術は全て習得しているし、バックアップなしのたった一人でも作戦を遂行できるスーパースター級のエージェントだが政治的な事はあんまり考えてない愚直マンだ。


だが、そんな愚直マンがシンプルな理想だけをぶん回してあらゆる罠を潜り抜けてジリジリと陰謀の真相に迫っていくところが最高にかっこいいのよね。


2巻以来の再登場となる好敵手、元”グーンスクワッド”上官のザック・ハイタワーさんや上司のマット・ハンリーも登場してついに謎が明かされる第五巻。


ボーン・アイデンティティー』で始まって『コールオブデューティー・モダン・ウォーフェア』を経由し、『ヒットマン:コード47』に着地した感がある。
(作中で遊ばれてたゲームはメダルオブオナーだったけど)


20年会ってない父親にCIAの手が伸びるのを心配したグレイマンさんがシャツにジーンズ、キャップを被ってピックアップトラックを運転し、地元の農夫っぽい恰好をして故郷に帰るシーン

”誰でもない男”として世界中のありとあらゆる人種や身分、職業の偽装をこなしてきたが、アメリカ人の役は初めてであり、居心地が良かった”みたいなモノローグがお気に入りです。


シリーズは新展開で続刊するらしいのでのんびり続きを待つわ。