酒と肉を


我々は戦いの高揚と空腹に荒ぶる心をなだめようと、一軒の料理屋に雪崩れ込むようにして
奥まった席に陣取り、胸の内に滾る激情と猛る胃袋の欲求の赴くままに怒鳴った。


「女将!酒と肉だ!」


女将は長年の客商売でもいまだ擦り切れぬ笑顔と尽きぬ愛想の持ち主で
にっこりとうなずくと厨房へ引っ込み
まもなく我々の前には山の様な肉と酒の山が築かれたのであった。


焚き火は赤々と燃え、照り返しに赤く光り火照った人々の頬には


満足の笑みが浮かび、酒盃は尽きることなく重ねられ、月は草原の地平線に
静かに青い光を投げかけていた。






おっと。メンゴメンゴ!今ちょっと居眠りしてた!寝言だからさ!ハハハハ


あれほど肉だけでお腹をいっぱいにしたのは初めてだ!というほどいっぱい羊肉を食べました。
ファミレスとコンビニ弁当のデンプシーロールに食傷気味の舌に
直球ど真ん中のプリミティブな食品の味が心地よく
肉を骨から削いでは食らい削いでは食らい、果ては骨にむしゃぶりつき
噛り付き、木っ端微塵に噛み砕いてテーブルの足をもぎ取り振りかざし
「女将!肉だ!肉が足りないぞ酒もだ早くもって来い」
すいません、またちょっと寝てた。


最後に注文したモンゴルのうどんがやたら美味しくてちょっと顎が外れかけました。
羊の骨でとったスープに少々の青菜と、肉の入ってないワンタンというか
閉じてないラビオリというか、麺じゃないウドンが浮いていて
とても気に入ったぜ!
また食べに行こう。



今年も乾季が過ぎ、青々と茂った草原が見渡す限り続いている。
私の跨った馬は風を蹴るようにして東へ、東へと、そうだよ!まだ寝てるよ!もぉ、昨日遅かったんだから今日ぐらいゆっくり寝かせてよぉぉ!ゴミだし?あとで起きてからー
(匂い立つ生活臭と共にフェードアウト)