ゆるゆるD&D グレイホーク・ナイトウォッチ第2話

ゆるゆるD&Dの第2回を遊んできましたよ。チョアー。あとマップタイル「村」を買った。早速使った。これは楽しい。…おぜっ(出金)


PCは以下の4人。

◆"Pavement Wind"アッシュ・ワイアー

種族:エルフ

性別:女

属性:真なる中立

クラス:バード(2)スワッシュバックラー(1)

年齢:128 肌の色:白 瞳の色:深緑 髪の色:赤

グレイホークの南西、エルフ国家セレネ出身の女バード。
赤毛のあばずれ」「一生ロックに会わないレヴィ」等の麗しい二つ名を次々と獲得する筋金入りの莫連女。
ギターウルフ張りの爆音を発しつつ、ソングブレードで斬った張った斬った張った斬った張った。

プレイヤーはからすマン。



◆シンクロナス

種族:人間

性別:男

属性:秩序にして中立

クラス:モンク(3)

年齢:20代半ば 肌の色:褐色 瞳の色:黒 髪の色:黒

実働部隊の戦闘能力の高さと悪辣な立ち回りで着々とグレイホークスラム街に勢力を伸ばしつつある武闘派自警団の頭目
自らの身体を肉の盾と化して仲間を守り、かっこいいシーン展開にこだわるあまり気がついたら事務所で怖いお兄さんに囲まれてたりするその姿は
まさに男の花道。わるそな奴らは大体友達。老人の頼みを断れない優しさを見せるナイスガイ。だが、魅力は6.

プレイヤーは吉井さん id:THOR


◆ラダメディウス

種族:人間

性別:男

属性:混沌にして中立

クラス:ウィザード(3)

年齢:30代前半 肌の色:土気色 瞳の色:灰 髪の色:白 
自らを殺した5人の魔道師に報復せんと地獄から甦った復讐者。
かつての魔力を失った今もその手から放たれる呪力は敵対するもの全てを焼き払う。
使い魔は額にXXXと刻印された白イタチ、ヴィン・ウィーゼル。呪文書のレパートリーを増やす為、小銭のやりくりに頭を悩ます。


プレイヤーは夏瀬マン id:natuse44


◆ムウナ

種族:人間

性別:男

属性:中立にして善

クラス:ドルイド(3)

年齢:20代中半 肌の色以下の設定は爽やかに聞き忘れてパージ。

大自然の知恵を伝えるドルイド僧であった祖父に育てられたが、祖父が死んだので狼連れて都会に出てきた一旗上げ太郎。
ろくでもない悪事ばっかりの3人を尻目に澄んだ目で善良なムーヴを繰り出して賞賛を浴びた。
中盤、グッドベリーの呪文で美味しい木の実を大量生産し続けパティシエ無双の異名を取るが
いざ戦闘に入ると荒れ狂う大自然の猛威そのものといった勢いでサモンネイチャーズアライのⅠⅡコンビネーションを放ち、文字通りの群狼戦術を繰り広げる。
 
PLは山羊さん

オープニング

さて、前回の最後でとんでもない大借金を背負い込む羽目になった3人。
やたら優しい瞳で「君達の可能性にかけるのだ」と返済を待ってくれた聖カスバート神殿の大司教に頭を下げつつ
どうにか借金踏み倒す方法がないか知恵を絞っている所から話は始まる。


夕刻、グレイホークシティーの巨大で威圧的なゲートが蒸気を噴出しながらゆっくりと開き、多種多様な民族や職業の旅人達を市街に吐き出し終わると、そこには初めて見る大都市の巨大さに感慨深げな一人の若者と狼がいた。
唐突な導入に放り出されたムウナとそのペット、狼のグラスである。
一人と一匹が目をぱちくりさせながら物珍しげに辺りを見ていると、怪訝な振る舞いをする二人の男が目に入った。
格好は旅の商人風なのだが、ときおりその姿がぶれ、酷く窮屈そうに背を曲げた大型の人型クリーチャーの様に見えるのだ。
しばし観察していると、二人はひょこひょこと人通りの少ない裏通りの方に歩いていく。
奇妙に思ったムウナがどうすべきか悩んでいると、DMが「追っかけろ」とハンドサインを出したのでついて行って見る事にした。



角を曲がると夕日に照らされて酷く赤く染まった狭い路地に無表情な商人が二人、こっちを見て立ち尽くしている。
鼻の頭に皺を寄せて唸るグラスをなだめつつムウナは話しかけるが、相手は入管で引っかかった不法入国者みたいな片言しか喋らないため埒が明かない。
どうしたものかと悩んでいると、突然商人の身体が膨れ上がり、着ていた服はメチメチと破れ、腕は太く胸は厚く、顎は逞しく牙は聳え立ち、そこにいるのはどこからどう見ても化けの皮が剥がれた大型サイズの巨人、いわゆる一つのオーガであった。
この2匹はどこで手に入れたのか変身の秘薬を使って人に化け、グレイホークシティーの街区に侵入を果たしたのだ。
「おい、効き目切れてるぜ」
「ウッソマッジ?」
「おい、あいつこっちみてるぜ」
「ウッソ、むかつかない?」
と2匹が棍棒を引っつかんで振り上げた瞬間、脇道からギターを爪弾きつつ現れたアッシュが人食い鬼に鋭い言葉を放つ。
この一帯は自警団の縄張りなのだ。例え力自慢の人食い鬼といえども、彼等の目が光っている所で好き勝手は許されない。
ソングブレードを抜き放ったアッシュの背後からシンクロナスが巨体を現し、ラダメディウスが音もなく降り立つ。
今この界隈で最も敵に回したくない3人が、必殺の意思を持ってオーガに対峙していた。
「アンタも自分の面倒くらい自分で見られるだろう、手伝いな。」
そう言い放ったアッシュが愛剣を振ると殺戮のメロディーが鳴り響き、戦いが始まった。



第一ラウンド、オーガの懐に潜り込まんとピーカブースタイルで突っ込んだシンクロナスに大型サイズの棍棒クリティカルヒット
36点ダメージを食らったシンクロナスは、3人が呆然と見守る中、木端微塵の肉片と化すと路上にぶっ散らばった。


画面上部にポップアップした予算メーターが物凄い勢いで借金の倍増をカウントしだし、仲間達の悲痛な悲鳴が響く。
賭けてもいいがシンクロナスの命を惜しんでの悲鳴ではない。
開始早々いきなりのディープインパクトに一瞬心をへし折られそうになる一行だったが、ムウナの心の共、狼のグラスを動物愛護団体から刺客が放たれそうな勢いで肉の壁として利用、呪力を圧縮したラダメディウスのスコーチングレイが夕闇を引き裂いて敵を黒焦げにし、からくも勝利を収めた。


駆けつけた自警団の部下がボディーバッグにシンクロナスの残骸を拾い集め、オロクを担いで一同は鬱々と歩き出す。




所変わって舞台は聖カスバート神殿。
レベル17、偉大な司教の言う事にゃ、復活コースは3種類。

レベルが下がってHP1で復活する梅。

レベルが下がってHP全快で回復する竹。

レベルが下がらずにHP全快で復活する松。


あー、もううるせえな!30000だろうが60000だろうがもう大してかわんねえよ!松だ松!とやけくそになったアッシュが叫び
借金が膨れ上がる音と共に囁きが祈りになり、祈りが詠唱になってシンクロナスは復活した。


よかったですね、僕はこれで と去りかけるムウナの襟首を引っつかみ、こうなったからには一蓮托生、お前にも借金背負ってもらうぜ。
と無理やり連帯保証人にして4人パーティーになった一行。夜逃げ、自己破産等の魅惑的な言葉を脳裏によぎらせつつ神殿を出てくると
神官の一人がちょっとこっちに来てください と招く。債権者様の言うことには逆らえませんとついて行った4人が通されたのは、神殿宿舎の台所であった。

依頼を受けるの段。
暖かく清潔でいい匂いのする台所で待っていたのはこの辺りの孤児の面倒を見ている小柄な黒人老女、通称「グランマ」であった。
身寄りのないシンクロナスもまた、このグランマの世話になった経験があるためこの相手だけはやりにくい。
小さな眼鏡越しにじろりと一行を睨みつけるグランマに仲間を紹介するシンクロナス。
だが、どんな相手にも変わらずパンキッシュなアッシュの態度が礼儀にうるさいグランマの勘に触って一触即発。
慌てた一行がアッシュをドアの外に押し出して育ての親とのCQBは回避され
アッシュはぷんすかしながら外で待つことになった。


ジャブの応酬を終えたグランマが一向に話した所によると、近頃この界隈で行方不明事件が続出しているらしい。
酔っ払いや被害者達が次々と姿を消す怪事件の矛先はついにグランマが面倒を見ていた孤児達にまで及び、昨日外に出ていた子供達が3人、今に到るまで戻っていない。
これを放置しておくわけには行かないので是が非でも子供を連れ戻してくれ、との依頼であった。
報酬として借金の減額をちらつかせられた一行は一も二も無く承諾し、事前調査のためにアジトに戻ってくると緊張した面持ちのコランタンが待っていた。

これからモレドのシマを引き継ぐに当たって結社頭目の所に挨拶に行くからお前ら神妙にしろよ、と言われてお茶を飲む暇も無くムーブムーブ。なんとも忙しい。
コランタンに連れられて、ダウンタウンを支配する頭目の一人、モントロンの屋敷にやってきた一同。
見るからに物々しい外観の屋敷はフレーバーと人海戦術でガッツリ武装化されており、外部からの進入は容易ではない。
入り口に座る物乞いに符丁を提示して内部に入った一行は長く曲がりくねった複雑な通路を抜けて主の住む部屋へと進む。


豪奢な装飾品に溢れ、香炉から立ち上る奇妙な煙が漂う応接室で待っていたのは、芋虫領主とポルポとブッバ*1を足して攪拌して30分待って200度に予熱したオーブンでじっくり焼き上げたような
ぎらついた巨大デブだった。積上げられた肉塊から発散される殺戮者放射能に、ずらり仕える奴隷達も怯え顔。笑った笑顔がまた怖い。これこそがモントロン。盗賊結社の大幹部。

「おお、知恵者よ。貴方の食卓に美酒が尽きませぬよう!偉大なる父を頂く我らは幸いです。」
エフィンジャーライクなまどろっこしい挨拶を発射するコランタン。前回の罪は全てモレドに着せ、いくつかの儀礼的なやり取りのあと4人の紹介も済み、肝心の縄張り継承の件について話題が移ったところで圧迫面接が始まった。


君達の縄張り最近荒れてるよね、あと行方不明者とか出てるし。
なんかウチの組に喧嘩売ってる子たちもいるからさ、ほっとくと商売に差しさわりが出るでしょ?10日以内に黙らせて行方不明事件もなんとかしなさい。
出来なきゃしょうがないから僕が代わりに縄張りを治めてあげますよ。
じゃ、そういうことで今日は帰れな?


一瞬イラッと来るものの、MMO式にモントロンにカーソルを合わせて戦闘力をチェックしてみると名前の表示は紫色の+++。とてもとてもつよそうだ。
殺意をにこやか笑顔に変えて、低姿勢でモントロンの居室から撤退。作戦立案に入る。


実働フェイズ
2件のミッションとモントロンに関してのリサーチが素早く行われ
・行方不明者は下水道に連れ込まれた跡がある。
・現場に残された足跡や臭いからしてメイビー、トログロダイト。

・縄張りで暴れてるのは街区西の酒場を根城にする集団。
・モントロンは人食い鬼の魔女を祖母に持つという噂がある。
・噂は本当。むしろ血が濃いんで先祖がえりしてほぼオーガメイジ。
・街区西の勢力を煽ったのはモントロン。


以上の事実が明らかになった。
「あー、クソ!こういうことだと思ってたよ!」
「おい、空飛んで姿消してダメージ再生ってなんだこのデータふざけんな!」
「どうやってあのデブ殺せばいいんだ。」
と頭を抱える一行。
「こうなったら依頼を先に片付けてレベルアップしてからあいつを殺すしかない!」
とぎらついた目になって下水道に向かう。




路地裏の格子戸を引き空け、錆付いた梯子を降りた一行は臭気に満ちた下水道を進む。
進んで角を曲がったらいきなり臭い匂いのするトカゲマンが2匹、衛兵ッ面で立ちふさがっていた。

DM「奴らの名はトログロダイト!地下に住む忌まわしい爬虫人類だ!」
PC一同「分かってるから。あ、隠れ身して不意打ちな?」

DMしょんぼり。トログロダイトも殴られてしょんぼりし、動かなくなった。
快勝に気を良くしつつドロップ品チャートを振る4人。
アッシュ「うーん、いい飛び道具とかそろそろ買いたいなあ。」
するとその声を聞いたかのようにダイスはぴたりと止まり、高品質のコンポジットショートボウ(+1筋力ボーナス)が出た。
おー、やったじゃん。誰が持つー?とNeederチェックを開始した瞬間

thx^^」とアッシュが弓をかっぱらっていった。

「相談も無しかよwwww」

「お前らがNeeder?とか聞いてる間に俺拾ってるwwwwwwww」

「晒しスレッドに晒させて頂きますね^^;;;;;」


嬉しいアイテムの獲得にパーティーの絆を深めた一行は先に進んだ一角で粗末な木製の檻に入れられた子供二人を発見する。
シンクロナスが駆け寄ると、壁の排水溝から肩に2本の逞しい触手を持つ6本足のピューマのような大型の魔獣が襲い掛かってきた。
奴の名はディスプレイサービースト。特殊能力「所くらまし」のパゥアーにより攻撃が凄く当たりにくい恐怖のプレデターだ!

第1ラウンド、ムウナのフェアリーファイア*2が炸裂し、ディスプレイサービーストはイヤにはっきり見えるようになった。
触手触手牙のフルアタックでシンクロナスに痛い思いをさせるものの、はっきり見えるディスプレイサービーストなどただの触手のある6本足のピューマに過ぎない。
実際に居たらかなり怖いが武装した一行の敵ではなかった。

檻をぶっ壊して子供を助け起こしてみると一人足りない。
弱っている子供を介抱して話を聞いてみると子供はくわっと目を見開き
「ああ、アンタらがお探しの餓鬼ならトログロダイトどもに連れて行かれたぜ。この先だ。」
と喋るとお礼を行ってマップから去っていった。

回復や武器の準備など、戦闘態勢を整えた一行が先に進んでみると四方の水路から水が流れ込む巨大なホールの様な場所に出た。
ホールの南の端にはなにやらさらに地下に通じていると思しき穴が開いており、トログロダイトの一団がぐるぐる巻きにされた子供を穴に投げ込もうとしていた。


そうはさせじとすかさず攻撃に移る一行。
気付いたトログロダイトがこちらを振り向いた瞬間、背後の穴からしゅるっと触手が出てくると運の悪い一匹を巻き取り穴の中に引きずり込んだ。
続いて聞こえる咀嚼音。ガリガリムシャムシャバキバキゴクン!
僕を見て!僕を見て!穴の中の怪物がこんなに大きくなったよ!
現れたのは3本の触手と足を持つラグビーボールのような怪異な肉塊。大型サイズの異形、アティアグ太郎。


トログロダイト達はこいつに餌をやるために誘拐事件を起こしていたのであった。
寝起きが怖いアティアグを見た途端、トログロダイト達はきゃーっと逃げ出し、あとに残されたのはぐるぐる巻きキッズとぼんくら4人。
朝のおめざとばかりに子供に接近するアティアグに慌てて攻撃を仕掛ける4人。何しろ借金返済がかかっている。
オーガのミスは最早無いとばかりに守りを固めたシンクロナスの動きが無限の軌道を描き、ラダメディウスのスコーチングレイが炸裂。
アティアグは2ターン目でわりとあっさりと出てきた穴の中に落ちていった。



無事子供を救出した一行が神殿に戻るとグランマがご褒美に宝箱をくれたので挨拶もそこそこに開けた。
すると中から1500gp相当の宝石が二つと魔法の掛かったミスリルチェインシャツが出てきた。
全員が嬉しい笑顔になって誰が着る?と相談を始めようとしたが、アッシュが袖を通して
「thx^^」とタイプする方が早かった。
「いや、どうせ俺しか着られないじゃないですか。それにこの鎧も私に着て欲しがっています^^」
「晒させていただきますね^^;;;;」
そろそろ専用スレッドが立ちそうな勢いのアッシュ、今日も絶好調だ。



行方不明事件を解決したのでいったんアジトに戻ってきた一行。
ラダメディウスはスクロールの準備を始め、ムウナはグッドベリーの呪文で美味しい木の実の作り置きに入った。
手持ち無沙汰なのはアッシュとシンクロナスである。
ほいじゃまあ、偵察にでも行ってきますか と街区の西へと出かけていった。


グレイホークダウンタウンの西、最も治安の悪い地域にあるその酒場の名は「ロングホーンタバーン」
わるそな奴らは大体そこに集まっており、うっかりよそ者が入っていったら翌朝には山手線の車輪に首が挟まってくるくる回るほど危険な酒場だ。
入り口には素肌の上にチェインメイルを羽織ったお肌のケアが大変そうな巨漢が3人見張りのように立っており、無感動な視線を街路に向けている。

すると道の向こうからやってきたアッシュとシンクロナスが中に入ろうとしたので彼等は立ちはだかり
「うちの客層とお客さんは見合わない」「ドレスコードに引っかかってます」と喧嘩を売ったが強引な二人は無理やり入ろうとしたので
見張りが振り向いて「店長どうすればいいですかー?」と聞いている隙に侵入は果たされた。

煙草の煙とドスの利いたHIPHOPが漂う店内は最早ファンタジーでもなんでもなくどっちかというとナイトシティかトーキョーN◎VAに近い有様であったが店内から一斉に向けられる敵意の視線を物ともせずにカウンターまで歩み出た二人は酒を注文した。
バーテンはお客さん、来る店間違えてないですか?と果敢にかっこいい台詞を吐くがスイッチの入ってしまったアッシュもシンクロナスもまるで言うことを聞かない。周囲を戦闘員の群れが取り囲んでいるのにまるでダンスマカブルを10発は撃てるって位の余裕のある態度だ。

あまりに堂々とした態度だったので、奥のテーブルで本を読んでいた悪漢達のリーダーも感心し、本を畳むと話しかけてきた。
その名はリオン。コーンロウヘアに眼鏡をかけ、迷彩色のポンチョをまとって編み上げブーツを履いたウータンクランのそっくりさんである。
「N◎VAに帰れ」「なんだその迷彩」などの罵倒を受け流しつつリオンは二人に話しかける。
「俺達モントロンからパワーで縄張り取ってみなって言われたから取っちゃうぜ。」
「あのデブ気に入らないからそのうち倒すけどとりあえず今は縄張りを頂きたいので頭を下げます。」
「君達も落ち目のコランタンとかにつくのやめてすぐ街から出て行けば命だけは助けてあげるヨ!」
「この街は俺達が支配する!ストリートは俺達が支配する!俺達をリスペクトしろ!」と叫ぶリオン。
すると周囲の悪い人たちも一斉に武器を振り上げて「リオン!力と均衡を!」と叫んだ。
付き合いきれんとげんなり顔のアッシュ。
「俺、この人たちと友達になれそうだ」と近しいものを感じるシンクロナス。


一通り言いたい放題言ったのでリオンはこちらを振り向くと返事を迫った。一家を畳むかここでくたばるか だ。
すると二人は「OK、今日は挨拶代わりだ。首を洗って待っていな。」と捨て台詞を吐いてインビジヴィリティポーションを飲むと裏口から逃げ出した。華麗なる明日への逃走である。
あまりに華麗だったのでDMがうっかり無判定で逃がしてしまったくらいの逃げっぷりであった。

クライマックスフェイズ「居酒屋襲撃」

翌日、自警団の襲撃に備えてクロスボウを構え、いつもより2割ほど緊張感をアップさせた見張り3人がロングホーンタバーンの入り口に立っていると
道の向こうに見慣れない狼が座って舌を出している。それはつまるところムウナのペットのグラスであり、その姿は大変愛らしいものであったのだが、3人は性質の悪い悪漢だったので
「おい、暇だからあの犬撃って遊ぼうぜ」ということになった。
見張りAが矢を打って命中。ダメージは1点。
ハハハ、へたくそ!と
見張りBが矢を打って命中。ダメージは2点。
バッカ、なにやってんだよ俺にやらせてみ?と
見張りCが矢を打って命中。ダメージは1点。

どさくさにまぎれて目障りなペットを亡き者にしようとしたDMの目論みは見事に失敗である。
次の瞬間、インヴィジビリティで隠れていたムウナのサモンネイチャーズアライⅡが発動して新たに1d3匹のウルフが現れた。
最初からいたグラスと合流した狼の群れは、間抜け面で突っ立っている見張り3人に向かって一斉に突撃をかけた。
これが午後いっぱいに渡って繰り広げられ、後にグレイホークの暗黒街で語り草となった「ロングホーンタバーンの襲撃」の始まりであった。


物凄い勢いで繰り出される足払いの連打にパニックに陥った3人であったが店内の仲間に警告を発することを忘れない。
「犬のお礼参りだ!!!」
主語がバグっている気もするが結果的にお礼参りなのは同じである。
泡食って反撃しようとする3人の前に光学迷彩インヴィジビリティを解いたシンクロナス、アッシュが襲い掛かる。

警告を受けた仲間が窓からクロスボウで援護射撃をするも、すでに懐深く入っていた二人は巧みに遮蔽を利用しながら見張り三人を無力化する。
一人はシンクロナスの拳に叩き潰され
もう1名は犬の牙でズタズタに引き裂かれた挙句、歌う魔剣で首を刎ねられた。
最後の一人は泣いて降伏したら許してもらったので「ドントシュート!」って叫びながら画面外に逃げた。
ドアには閂が掛けられていたが、シンクロナスと狼が力任せに押し開ける。
するとドアを開けてすぐのところをぐるりと敵が取り囲んでおり「いらっしゃいませ!当店へようこそ!一歩でも入ったら袋にいたします!」
と叫んだ。
さしものシンクロナスも一瞬ひるんだが、ずっと隠れていたラダメディウスが姿を現すと同時に店内に向けてスクロールから発動したファイアボールをぶち込んだため、店側の用意した歓迎の布陣は一撃で木端微塵に粉砕された。悪意のある客の前にささやかな心づくしなど意味を成さないのだ。

続いてムウナが発動したフレイミングスフィアが店の入り口に火球を出現させ、アッシュが唱えたグリースの効果で転んだ哀れな犠牲者を次々と焼き殺し始める。店の2階から必死で援護射撃をする悪漢達であったが次のターン、ムウナが追加の狼を呼び出して店内は101匹狼ちゃん大行進になったので
見かねたリオンも前線に飛び出してきた。
迷彩ポンチョの下から両端に金のライオンの頭がついたヌンチャクを取り出し「力と均衡を!」と叫ぶとライオンの口から炎がぼぼぼと上がって
ダメージを高めた。僕の考えたマジックウェポン、フレイミング・ヌンチャク「ライオンヘッド」である。
この超かっこいいヌンチャクを見たPC一堂は一瞬停止した後で指差して笑いやがったので全員ボコボコにしてやろうと思った。

きーってなったリオンが強行突破と一撃離脱の特技を振り回して突っ込んだが、入り口を飛び出した瞬間待っていたのはまたしてもエンラージスペルでLサイズになったシンクロナスであった。
「これか!こいつが自警団を壊滅させた怪物か!」遺書を書きながらかっこいい台詞を吐いて見るリオン。

次のターン、一斉攻撃を受けてあっという間にHPが2になり、部下達も狼の大群やら新たに召喚されたワニやらにたかられてえらいことになったので
リオンはヌンチャクを捨てると降伏した。ライオンの頭は誰にも見られないようにそっと涙をぬぐった。

「殺さば殺せ!さあ殺せ!」とリオンがライムを刻んで叫ぶと
「死ぬよりワシの部下になれ」とシンクロナスが池上遼一っぽい顔で言ったので生き残りとリオンはまとめて自警団に組み込まれた。
その場の全員が「パワー&リスペクト」と唱和し、爽やかなスポーツマンらしくヌンチャクの交換が行われてシンクロナスの攻撃力がアップした。

敵対集団を味方に引き入れたことによりさらにグレイホークスラムへの影響力を強めた一同は、暗い部屋でテーブルを囲んで気勢を上げたりして
モントロンの打倒を誓い、時間が来たので今回はここで終了したのであった。

*1:左から、ベルセルクジョジョの奇妙な冒険、TOKYOTRIBE2

*2:ドルイド1レベル呪文。ブラー、所くらまし、不可視状態等の修正を打ち消す。