ゆるゆるD&Dその4

超放置してたD&D第4回のプレイレポ書いたので置いておきますね。


今回のPCはいつもの4人+1。


◆"Pavement Wind"アッシュ・ワイアー
種族:エルフ 性別:女 属性:真なる中立
クラス:バード3/スワッシュバックラー2
年齢:128 肌の色:白 瞳の色:深緑 髪の色:赤

いつものアバズレ。今回念願のドレッドパイレーツに。

PLはからすマン。

◆シンクロナス
種族:人間
性別:男
属性:秩序にして中立
クラス:モンク5
年齢:25 肌の色:褐色 瞳の色:黒 髪の色:黒

いつものデフジャム。今回念願のドランケンマスターに。

PLは吉井さん。id:THOR

■ムウナ
種族:人間 性別:男 属性:中立にして善
クラス:ドルイド5
年齢:22 肌の色:肌 瞳の色:緑 髪の色:黒

いつもの動物使い。狼が吼えたり噛んだりこかしたり。

PLは山羊さん。

■ラダメディウス(リチャード・ロウ)
種族:人間 性別:男 属性:C/N
クラス:ウィザード4/ウーイァン1
年齢:30代前半 肌の色:土気色 瞳の色:灰色 髪の色:白

いつもの顔色悪い人。オリエンタルなシークレットパワーでイニシアチブを振りなおしたりする。

PLは夏瀬マン。id:natuse44



そしてニューカマー。

■フリーフリッカー
種族:ハーフリング 性別:男 属性:混沌にして中立
クラス:ニンジャ5
年齢:26 肌の色:褐色 瞳の色:青 髪の色:黒

色んな種族にモテモテのハーフリング、小悪党。
暗黒街の大物の情婦に手を出したことで追われている。
かつては暗殺教団に所属していたが修行が厳しくて逃げ出した。
好きなモノは股と頭のユルい女。嫌いなモノは大男と犬。(コピペ)

全身に毒手裏剣を仕込んでおり、油断しているとDC13の頑健STを要求してくる。

PLは中村さん。id:yanio


その日に起きた出来事。


その1.
盗賊結社幹部にしてオーガメイジのモントロンの屋敷に殴りこむ算段をする一行のところに絵に描いたような刺客がやってきた。
陰に潜み、闇を呼吸し、黒く塗られた刃を振りかざす夜の兄弟達。
「こんばんは!ぶっ殺す!ご機嫌はいかがですか!」の合図と共に一斉発射されるヘヴィクロスボウ
高速のイニシアチブから繰り出される連続スニークアタックでアッシュのHPがやばいことになるも、登場するタイミングを計っていた
フリッカーの参戦で戦況は逆転。あっという間に夜の兄弟は木っ端微塵になって亜空間にばらまかれた。


口説いたナオンをモントロンの人狩りに連れ去られたフリッカーは奪還のチャンスを図っていたのだ。
なので皆と一緒にいくことになった。
英雄は英雄を知る。ぼんくらはぼんくら同士つるむ。


その2.
装備を整え、モントロンの盗賊館に殴りこむ一行。
入り口に座り込んだ盲目の乞食から不吉な言葉を投げかけられつつ、内部に侵入。
玄関ホールに入った。
するとホールのドアの上についていた魔法の仕掛けが発動し、ドアの上についていた金細工の顔が大声で叫びだした。
「ちょっとあなたたち・・・なんですか…!勝手に人の家に入って!どろぼう・・・泥棒ーッッ!!!だれかーぁッ!!!」
向かいのドアがばたんと開き、中からシャドウマスチフ武装した盗賊4人が現れる。
「泥棒とはふてえ野郎だ!畳んじまえ!!」
世にも恐ろしい声で猛然と吼え始めるモントロンさんちの番犬シャドウマスチフ

DMはマスチフの恐ろしいシャウトで皆を金縛りにし、盗賊4人が叩いて叩いて叩いて叩く作戦に出たのだ。
しかし、アッシュはバードだったので打ち消しの歌がリクエストされ、オーディエンスは吼えたけり、特殊攻撃は無効化された。
その夜のライブは伝説となり、入り口の見張りは全滅した。


その3.
見張りを倒した一行が奥に進むと天井の高い大部屋に出る。
左右には通路が延びており、正面には階段が、その上には格子戸があった。
するとムービーシーンが始まり、モントロンが姿を現すと
「私を倒したに来たかったら、左右の通路の奥にあるスイッチを押して格子戸を上げなきゃ駄目ですよ。」
とお茶目に目配せをしたので、フリッカーがご褒美に毒付きの手裏剣を投げつけた。
DMはガシアスフォームの呪文で気体化して逃げる気満々だったのだが、よくよくルールを読み直してみるとそこまで都合のいい能力ではない。
あわやボス昏倒でシナリオ終了の危機到来。パニックになったDMが赤くなったり青くなったりしてあわあわしてたら、PLの皆が優しい顔になって
「投げないよ」って言ったので手裏剣はフリッカーの懐に戻った。DMは感謝し、その場所に御影石で出来た立派な石碑を建てた。
それが、今日まで残るシュリケン塚の由来である。


その4.
シュリケン塚をあとにした一行はとりあえず右の通路を進む。
廊下の天井はどんどん高くなり、気がつくとその天井から逆さまにぶら下がっている小人がいた。
鈴のついた道化衣装に身を包んだおっさんである。
コンニチワの挨拶と共に投げつけられるリターニングショックダガー
道化師っぽい演出がしたかったので柄には鈴がついてチリチリ鳴っている。
ショックダガーなので電気もビリビリ出ている。
擬音で書くとチリチリビリビリと大変に忙しい。
これで一行をひどい目に合わせてやろう、あわよくば火炎瓶を投げつけて嫌がらせをしてやろう ともくろむDMであったが
逆にフリッカーの投げたシュリケンが小人に命中。塗ってあった気絶毒が小さな体中に回る。
頑健のSTは失敗。気絶した小人はまっ逆さまに30フィート下の地面に落ちてきた。
落下の衝撃で火炎瓶が木っ端微塵に砕け、内部の薬品が外気と化学反応を起こして燃え上がる。
炎は夜空を赤々と照らし出し、人々はその炎を見ながら酒を酌み交わし、共に歌った。人と獣とが垣根を越えて付き合えた一晩であった。
小人は死んでかっこいいマジックアイテムはぶんどられた。DMは大変悔しく、次回は敵の強さを倍以上にしようとこっそり心に誓った。


その5.
なにやらどす黒い血の染みがいっぱいある部屋で格子戸をあけるスイッチを発見した一行。
用心しつつスイッチをいれると目の前の壁がガラガラと開き、中から4本腕のゴリラであるところのジラロンが現れて
「こんにちは。私の仕事はスイッチを入れた人を全力攻撃で殴ることです。」と挨拶をした。
挨拶しながら振ったイニシアチブのダイス目は1.
すると一行はにこやかに「こんにちは、お目にかかれてとても嬉しい。」と挨拶を返しながら全力攻撃をしたので
ジラロンは一回も動かないまま、木っ端微塵のミンチになった。
ジラロン25歳、故郷を離れて3年目の春の事であった。
彼を待つ許婚の元に、戻ろうと思い立った次の日の出来事であった。

DMが涙ながらにジラロン物語を歌い上げているとアッシュが「あー、ハイハイそんなことより宝は?」
って言ったので
「ねぇよ!シッシ!」とDMは答えた。
一同は「なんだつまんねえの」と口々に呟きながらぞろぞろと部屋を後にした。


その6.
ジラロンの部屋を後にし、今度は反対側の通路にスイッチを求めて歩み入った一行。
オラ、スイッチ隠れてんじゃねえぞコラ! と大暴れしながら道を進んでいくと、廊下に並ぶ小部屋の一つからゴトゴトと音がする。
一瞬で臨戦態勢になった一同がドアを蹴り開けるとそこは小さな衣裳部屋で、絹で出来た上等な衣装が山と壁にかかり、レースや飾りひだの森のような有様であった。
音の元は部屋に備え付けの衣装ダンス。ガタガタと揺れるタンスを取り囲み、いつでも中身を粉微塵に出来る体勢をとって開けてみると
パンツ一丁の男が転がり出して来た。
とりあえず話を聞いてみると
「オッス!オラDDOの世界から来たプレーンシフター商人!うっかりタンスの中に出ちまったぞ!あ、名前はアイザックです。」*1
と言ったので嘘つきとして石打ちの刑に処することにしたが、念のために注文を出してみたところ、たちまち魔法の品物が出てきたため
殺すのはやめてお買い物をした。

その7.
衣裳部屋の服を物色するアイザックを置いて廊下に戻った一行が進むと突き当たりに部屋があった。
中は実にきったならしい台所で、生ゴミや腐った食べ物や洗ってない皿や鍋がうずたかく詰まれて悪臭を発し、さらに蝿がブンブン飛び回っていたので
わりと小金持ちになってきたプチブルの一行は軽蔑を隠さずに部屋を探索した。
すると汚れた皿の山の向こうにスイッチがあったので押してみたが何も起こる様子はない。
安心して部屋を出ようとするとガタリと音がしてムービーシーンが始まった。

荒いポリゴンで作られた鍋のフタが不自然な動きで床に落ちると部屋の隅に転がっていく。
低予算のCGムービーにありがちなブレブレのカメラがフタの来た方に動くと、そこには汚れた大鍋がひとつ、カマドにかけられている。
一行が見ている前でガタガタと揺れ出した鍋の中から、適当なモーフィングを繰り返す目と口がいっぱいついた肉の塊が襲い掛かってきた。


独り言が煩くて周囲を混乱させるナイスモンスター、ジッパリングマウザーさんである。
早速ブツブツ呟いてお客様にバッドステータスを楽しんで頂こうとしたマウザーさんだが
隣の部屋にお住まいのアッシュさんがアンプの音量をMAXにしてギターの練習を始めたので声が全然届かない。
そういえば最初の部屋でもアッシュさんは爆音列島でうるさかったので、日夜騒音に晒され続けたマウザーさんの怒りは心頭に発した。
精神的に追い詰められたジッパリングマウザーさんはブツブツ呟きながら刃物を持ってアッシュさんちのドアをノックし
「すいません、ステレオの音大きすぎるんでいい加減音量下げて貰えませんかねえ!!」って怒鳴ったら
ドアはキィっと内側に開き、中から燃え盛るヌンチャクを持った黒人が現れると狼と一緒にマウザーさんをぼこぼこにした。
マウザーさんが流した涙は河となって流れ、海に注いだ。だから海はしょっぱいのである。


その8.
東西の部屋のスイッチを押した一行が戻ってくると、大部屋の格子戸は上がっており、屋敷の奥へと続く通路がぽっかりと口をあけていた。
一斉にポーションを飲んだりBuffをかけたりしてパワーアップを始める一行。
これ以上ないほど魔法的に強化された上司ぶっ殺し集団は露骨な殺意を放射しながら通路を駆け抜ける。
急がないとポーションの効果時間が終わっちゃうからわりと必死である。


辿りついた先は円柱の立ち並ぶ30×30フィート、天井の高さ25フィートの大部屋
床には豪奢な織物が敷かれ、辺りには宝石の散りばめられた銀の細工物、遥か東方から運ばれてきた陶器、黒檀に彫られた異形の神の像、金の籠に入った人の頭をした鳥。思いつく限りの美術品、貴重品が所狭しと並べられ
それらが香炉から立ち上る没薬の煙に霞んでいる。
床から一段高くなった巨大なソファーの上、左右に黒檀のような肌をして円月刀を担いだ奴隷二人を従え、鮫のような笑いを浮かべたモントロンがいた。


「やはり来てしまったか子供達よ…今頃コランタンがどうしているかも知らずに…哀れな子等だ。」
さっきの大慌てっぷりがなかった事のようにボスッ面で威厳たっぷりのモントロン。
怪しげな煙を吐き出す煙管をゆったりとふかしながら、一同に話しかける。
長い話を要約すると、「貴方達コランタンに鉄砲玉にされてますよ?」ということであった。
「君達に私という邪魔者を消させ、また用の済んだ君達を結社に始末させることによって、自分だけが権力に近づこうとしているのだろうね。」
「蛇を信用するものではないよ。」
俺カッコ良い事言った…そんな顔で会心の笑みを浮かべるモントロン。
ポーションの効果時間を気にするあまりスタートボタンを押してムービーシーンを飛ばそうと必死だった一行だが
ムービーシーンは時間に数えないレギュレーションであることが明らかになった瞬間、かっこいい台詞を吐き出した。

「そんな事は百も承知さ!アイツは強いやつにくっついて美味しい汁が吸えればいいんだろうよ。」
「だからこそ、アタシらが勝ってるうちは裏切らない。実に単純な理屈さ!」
世紀末覇者ばりの男らしい思考形態でモントロンの甘言を一蹴するアッシュ。

「それに…貴様の存在はストリートの秩序を乱す。人食いの化け物にいい様に使われるのは我慢がならんな!」
Lサイズになったシンクロナスがゴウゴウと炎を吐き出すヌンチャクを振り回しながらかっこいい台詞を吐いたが
その姿は人食いの化け物より怖い。

「あと、お前の地位と金が必要だ!借金を返すために!」
急速に本音が漏れ始めるアッシュ。このままでは水圧で圧解するので本艦はこれより急速浮上する。アップトリム70!!


ちなみにラダメディウスがあんまり喋らないのは戦闘手順と手持ちの呪文を確認するのに忙しくてモントロンの話聞いてなかったからである。

ムウナとグラスは排除すると決めた敵の鳴き声をいちいち気にしたりしない厳しい野性の掟に生きていたのでモントロンの発言はスルーした。

フリッカーは「女を返して貰うぜデブ野郎」って言った。両手にはいっぱい毒手裏剣を持っていた。
モントロンはそれを見てちょっと怖くなったが、気を取り直して台詞の続きを言った。

「なるほど・・・見掛けほど頭が悪いわけではないのだね。なおさら哀れが募るな…賢い家畜を殺すのは心が痛むものだ。」
「お前達、やりなさい。」

するとそれまで静かに左右に控えていた盲目の戦闘奴隷達がこちらに向かって構えを取り
モントロンの巨体が見る見るうちに膨れ上がると、青白い肌をした人食い鬼の正体を現した。


この遭遇は最後の戦いに相応しく派手な激戦になった。

スパイダークライムで天井に張り付いたラダメディウスが5人に分身した挙句コーンオブコールドの直撃を食らってえらい事になったり
ムウナの呼び出したクマとシンクロナスの二人にしこたま殴られた戦闘奴隷Aがちょっと横になった後、二度と目覚めなかったり
ポリモーフでオーガに変身した戦闘奴隷Bがフリッカー毒手裏剣を食らって泡を吹いて動かなくなったりしたが

数ターンの激闘の後、手裏剣とヌンチャクとマジックミサイルで大変惨い有様になったモントロンさんがポトリと床に落ちて動かなくなったので
ついに一行は勝利を手にした。

グレイホークシティのスラム街に君臨し、恐怖で人々を支配した人食い鬼のこれが最後であった。


屋敷の最深部の部屋に入ってみると、大量のお宝とさらわれたナオンがいた。
一行はにっこりしながら根こそぎお宝をかっぱらうと、ナオンは処理に困ったので田舎に返る船の船の切符を買ってリリースした。
女より金であった。


金と女とオーガメイジの首を袋に詰め込んで一行がアジトに戻ると、コランタンが灰皿を吸殻でいっぱいにして待っていた。
一行の顔を見るなり「やったか!?」
と立ち上がるコランタン。
ここに、グレイホーク維新が成った。新しい時代の幕開けである。


具体的には借金を全額返済した。綺麗な身の上である。


自警団の活動の上で目の上のタンコブだったモントロンを排除し、スラム街への影響力を大きくした一行は
野望も新たに買い物リストとかを眺め始めるのであった。

*1:実際のプレイではここでDMが用意してきた超長い前口上を延々と1kb分位喋ってPL達を大いにげんなりとさせました。