ベン・H・ウィンタース著 上野元美訳 カウントダウン・シティ

カウントダウン・シティ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

カウントダウン・シティ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

直径6.5キロの小惑星”マイア”が地球に激突し、人類が滅亡することが確実になって7ヶ月。

”その日”が来るまで後77日。


絶望的状況の中、社会がゆっくりと機能不全に陥り混迷の度合いを深めていくある日

ヘンリー・パレスは自らのベビーシッターを務めていた女性から依頼を受ける。


行方不明になった夫を探してほしい。


ブレット・カバトーン。パレスと同じ警官。


誰もが彼を尊敬し、称える。


彼はヒーローで、一人前の男で、理想的な夫だった。


そんな彼がいなくなった。


迫り来る終末への不安に震える妻を残して。


「何か理由があったはずだ」


「彼を連れ戻してほしい」

必死に訴える妻の依頼を受けたパレスは終末の世界を彷徨う探索行を開始する。


猥雑な秩序に支配された闇市


老婦人が守り続ける闇夜の灯火のようなダイナー


終末のその日まで営業を続けるレストラン


学生たちの自治が暴走を始めた大学


皆死んでしまうのに、彼を見つけ出すことに何の意味があるのか


何故こんなことをしているのか



自らを突き動かすものを自らも説明できぬまま、パレスはあてもない捜査を続ける。


ブレットは何故妻のもとを去ったのか


世界は本当に滅びるのか


パレスは何故こんな状況でも捜査を続けているのか


陰謀論者の一団に身を投じたパレスの妹、ニコは何を追っているのか


静かに滅んでいく世界を舞台に探偵の精髄みたいな、おだやかだけど絶対止まらない系の主人公が突き進むイカすノベル。

前作と合わせてお薦めでございます。

地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

何故かと言うと3部作の完結編が本国ではもう出てるけど、翻訳版が出るかどうかはちょっとあやしいからだ!


売れよ!刷られよ!続編の刊行決まりたまえ。