ロイス・マクマスター・ビジョルド著 鍛冶靖子訳 魔術師ペンリック
田舎貴族の末っ子で、腕っぷしもなく目立つ才能もない。
正直、家系の厄介者。そんなペンリックさんはやっと決まった婚約式の日
道に倒れていた老女を看取ったら、彼女についてた魔に取り憑かれてしまう。
10人の女と、馬と、獅子を経てきた古く強力な魔だ。
そんなんに取り憑かれた奴なんて得体の知れないパワーで何をしでかすかわからねえ!
ヤバ過ぎるのであっさり婚約は破棄。
おっと、婚約破棄から始まるファンタジーだぜ。最新流行だぜ。
となれば魔には意味があるはず。あります。
魔を身に宿し、その力を使うものを魔術師と呼ぶのだ……
ペンリックさんは純粋で心優しいので魔と心を通じあって名前をつけてあげたりする。
魔は魔で長年魔術師と行動を共にしてきた存在なので割と協力的だ。
そう、道で死にかけてた老女は神殿付きの魔術師だったのだ。
かくして誕生した魔術師ペンリックさん。
持ち前の素直さと知性、彼に取り付いた魔”デスデモーナ”の協力で
奇妙な事件を次々と解決していくのだ。
最近のビジョルド作品の中では格段に軽くて楽しく読める作品ね。
『死者の短剣』とか『影の王国』はちょっと乗り切れなかったんだけど
これはすごく気に入ったわ。
続きがもう1冊は出そうなんで楽しみね。
この本も装丁が凄く綺麗なので手にとって見るのをおすすめざます。